歩き出せずにいる迷子。
長岡は行きたくなかった。
車社会を車なしで生きてくなんて考えられなかったから。
だからH大学SR学部とKKS大学K学部を受験したいと母に言ってみた。
怒鳴られた、もしくはそれに近い音量で罵倒され、
「長岡の何がそんなにイヤなの?」
車買ってくれないから!!
なんて駄々こねられるわけないし、こねたところで元々デカイ母の音量と血圧がさらに上がるのは目に見えてたから何にも言わなかった。
まあこの反応を俺は
「もう受験するなってことね」
と受け取ったのが9月下旬。
で、「専攻科だったら車もアリかも☆」みたいな甘い誘惑に騙されそうになりつつも、「これ以上実家にいたら異常な束縛に発狂すること間違いない!」と思い願書を出さなかったのが11月上旬だった気がする。
で、真意を姉伝えに聞いたのがその後。
「遠いところだから悪いんだよ」
結局、近いところならいい、ってことだった。
ってほとんど終わってるよ!
あ、割と近いTJ大が・・・ダメだ、ギリで間に合わね。
このときほど実家がバカバカしく思えたことはない。
とても返しきれないほどの恩や愛情をもらっているのはわかっていても、なんか悲しくなってきた。
表面上だけの付き合いの仮面家族みたいなカンジ。
大事なことすら全て陰だけで言うから真意はまったく伝わらないし、余計な誤解も生じたのだ。
そういうことはそれまでにも沢山あった。全て姉伝えで聞いた。
でもこれは俺の将来に関わること。そして父と母はお金を出す立場。
それなのになんでこの状況でもそうなの?って思った。
言わなきゃわかんないことだったよ。絶対に。
もう虚無感にヤラれた。
あまりに違う表と裏の顔。一切信用できない、そう思った。
もう何て言っていいかわかんない感情にしばらく包まれた。
この時期俺が心から信頼できたのはstarさんただ一人。
彼にすごく寄りかかってしまい、迷惑をかけた。彼も忙しいのに申し訳なかったと思う。
その後、俺の呼ばれなかった飲み会の存在を多数知り、もう全てがイヤになる。
でも今考えれば、学校における俺の数々の奇怪な行動・言動が全ての発端だったのだと思う。
彼女と別れた寂しさから次々と女子に告白し、授業中にわかんないところがあると自分の頭の悪さとやる気のなさと、それに反して大学へ進学するという事実に頭がいっぱいになり、突然机を叩いたり。
完璧イってたね、俺。
starさんをはじめとして、多くの方々にご迷惑をかけたな、今はそう思っています。