今後の予想

予想というより空想かもしれないが、書き留めておこうと思う。

カギは小沢氏が何人を連れて民主党を出ることが出来るかのただ1点。衆院解散総選挙の有無がそこで決まる。
民主党は大敗必至の現状で自ら解散カードを切れはしない。が、選挙を経ない連立組換えは世論(というよりマスコミ)の批判を受け弱体化に繋がるだろうから、組む側としては望ましくない。特に自民としては解散総選挙で勢力を回復させたいところだし、第1党の座を奪還する千載一遇のチャンスでもある。故に衆院解散を経ない大連立・連立組換えはないと推測する。
故に小沢氏が十分な数を引き連れて離党すれば、直ちに内閣不信任案が出されれ衆院解散となるのではないかと思う。連立云々はその後の話・・・というのが個人的な読み。

小沢氏に付いていく衆院議員は旧自由党系約20人+小沢チルドレンの一部と思われるが、菅政権を過半数割れに追い込めるほど連れ出せるかが焦点になる。少なくともチルドレンを50人以上引き連れなければ民主党衆院単独過半数割れにも追い込めず、菅政権打倒が頓挫する。菅政権が延命した場合、野党に転落した小沢チルドレンは埋没し、結果として小沢氏の勢力が減退する。それでは次の衆院選で小沢新党はとても戦えない。だから、与党過半数割れ解散総選挙の確証なしに小沢氏の離党はありえない。となれば拙速に行動はしない。仮にやるなら年内に意見を集約し、通常国会開会後だろう。
民主党執行部は公明・社民に秋波を送り、小沢氏離党を見据えて連立組換を考えているようだが、果たしてどうか。もはや絶滅寸前の社民はともかく、公明は自公政権で勢力が漸減していった経験から民主との連立には二の足を踏むだろう。
むしろ小沢氏離党・新党結成→解散総選挙→連立組換えで民主が頭を下げて小沢新党が政権に残る、ウルトラCをやらないとも限らない。「自民政権に逆戻りするわけにはいかない」なんて言い訳しながら。この場合、自民と小沢が手を組まないことが前提条件ではあるが。

余談だが、個人的には小沢氏の一連の資金疑惑の幕引きとして、小沢単独離党で決着を図ると思っていたのだが、最早それができない状況まで党内亀裂は根深かったのかもしれない。もし昔の自民党なら、中曽根元首相の例がそうだが、そうやって一応の収拾をつけたのではないかと思う。善し悪しは別にして。

一方で、小沢氏抜きの民主党はさらなる混乱が予想される。民・由合併後の民主党は、常に小沢・反小沢の権力闘争の場だった。
合併前がどうだったかと言えば、やはり権力闘争の場であった。世の常だ。ただし小グループが乱立し、鳩山・菅の2枚看板に岡田氏が挑むという基本構造に、若手1人(主に前原氏or野田氏)が名乗りを挙げるor岡田支持表明するという状態だった。それが小沢氏という圧倒的な嫌われ者が入ったことで、概ね小沢・反小沢2つにまとまったと言える。
今、小沢氏離党になれば、仮に政権維持できたとしても反小沢のタガが外れた民主党自体が空中分解の様相を示し、政権運営は更に混乱すると推測する。もし下野すれば民主党自体が解党の危機を迎え、小沢氏の破壊リストに名前が加えられる可能性すらあるのではないか。

いずれにしても個人的な空想の域を出ないが、どうやっても明るい予想が立てられない。
私としては、あの2007年の大連立構想が潰えたのが気に掛かる。歴史にIfは禁句だが、もしあの大連立が成立していたら?という疑問が拭えない。自・公・民か自・民かはわからないが、少しはマシな現在があったのかもしれないと思ってしまう。それでも小沢・反小沢のテーマは不変だったとは思うけれども。