利己的な俺だが冷酷には成りきれなかった。

だから辛うじて社会の縁に背を向けながら踏みとどまっている。
だけれども辛い。

背負わなければ、非情に生きれば、目を背ければ、目の前の狭い世界を全てぶち壊せば拓けたかもしれない未来。

ただ勇気がなかった。
踏み越える勇気が全くなかった。

それだけの話だ。