十分休んだと思う。
約1年前、持てる全ての力と金を大学院での研究に注いだ日々は終わった。
充実感、人生の収穫を生まれて初めて感じた、そう、結実という言葉をようやく体感した。
引き換えに精神を極限まで擦り減らしても、またいろいろなものを失ってもなお、後悔はない。
あれからずっと、休んでいた。温い環境で。金が貰えるユルい場所で。とてもよかった。
だけれど、気力・体力は十分に回復した。
そろそろ行かなきゃ。
戦場は目の前にある。
自己の精神世界を制覇した俺こそが、物質世界に再び身を投じ戦わなければ。
先に待つもの等知らない。
ただこの物質世界に挑まなければ後悔しそうで怖い。
もう逃げ出した記憶を作りたくない。
血を吐いて戦った記憶さえあればいい。
理解も同情もいらない。
後ろ指指されることに臆することなどない。
ただ、戦うだけ。
それは己自身に課した義務。