命の値段
卒業式に俺がプレゼントを渡すと、笑いながら先輩は言った。
「俺が世話したのはこんなもんかっ(笑)!?」
今日サイゼリアで4時間くらい(!)喋ってたら、その話題が出て、気付いた。
「俺は俺の命だけしか返せない」
先輩がいなかったら、
今、俺いないかも。
学校から完全に逃亡してたかも。
それどころか、何もかも嫌になってたかもしれない。
最近、結構しんどくて。
ホントにしんどい日々が続いてて。
実験しようとしても何にも手につかなくて。
学校にも行かず引きこもりがちになってた。
何も言わずとも、先輩はそんな状況を感じ取ってくれたみたいで。
この土日、叱らず、黙って甘えさせてくれた。
話聞いてくれて、延々とゲームにも付き合ってくれた。
だから、もう大丈夫。
今日、ついさっき大丈夫になったんだよ。
今日わかったことは、命の限り友でいることでしか、先輩には何にも返せない。
それは、俺の命の値段。