どんだけ〜!を昨夜知りました。一夜明けた今日は、こんなニュースに驚きました。

<社会意識調査>「悪い方向に」教育がトップ 内閣府発表(毎日新聞)
[全国の成人男女1万人を対象に面接方式で実施。5585人(回収率55.9%)、複数回答]
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070331-00000074-mai-pol

「悪い方向」は教育が36.1%で1位らしいんですよ。
まあ、確かにそういう風に感じることは多いと思う。
いじめ問題や自殺問題、高校の履修不足学力低下(言葉の定義がわからんけど)・・・etc

しかーし。大きな疑問符がいくつか。
まず、「悪い方向」8位。地域格差(26.5%)
これを挙げた人が前回(06年)より10%以上急増し過去最高だという。

もしかして夕張市財政破綻のショックか?

ここでギモン。「地域格差とは何ぞや?」
「均等に発展した国土」が理想なんだろうか?
僕は、地域はその特性を生かした発展をすればいいだけであって、その結果生じる物資・情報・交通の格差は
地域格差」と言うべきものではないと思います。
「地方の衰退」は問題だけれど「地域格差」は是、というわけです。
しかし「地域格差」という言葉に「地方の衰退」の意味も括られているような気がしてなりません。
地域格差」と「地方の衰退」はまったくの別問題であり、それを混同することは
地方で起こっている過疎化などの問題の根本的解決を遠ざけるのではないでしょうか。
地域はその特性を生かし、他の地域と違う発展を目指していくことで、
独自の魅力を備え、自立した運営ができるのであり、
その結果として「地域に残るインフラ・情報・物資の格差」を「地域格差」と一概には呼ばないでしょう。
使わないハコモノをバンバンつくることが地域格差の是正にならないのと同じことですよ。


これを踏まえて。
「良い方向」
(1)科学技術19.7%
(2)通信・運輸18.9%
(3)医療・福祉16.5%

・・・不思議です。
何がって。
まず、「教育が問題」と答える人が36.1%で1位なのに、
なんで科学技術が「良い方向」にランクイン?しかも1位。ただし19.7%と少なめです。
科学技術が「悪い方向」上位にランクインするなら大納得ですけど。
「教育がヤバイ」→「未来の科学技術の担い手世代の危機」とは考えないんですかね。
上の図式が間違ってると思われる方は楽観主義者だと僕は思う。僕は比較的シビアな見方をしてると思うので。
そして、上の図式が意味不明だと思われる方がたくさんいるなら、確実に日本の教育は由々しき事態でしょうね。


「教育がヤバイ」と考える人々と同程度の科学技術への懸念がないことこそが、日本の危機ですね。


通信・運輸の2位は更に不思議。まあ、これも少なめですが。
というのは・・・
地域格差が問題なら、それを根底から支える通信・運輸というインフラ群も問題と考えて然るべきでは?
電気・水道・ガスがほぼ全土に普及する日本で、「職」に関するインフラ、
つまり通信・運輸のインフラが次に問題になるのでは?
地域格差の元をたどれば、「人不足」と「職不足」の悪循環も見逃せない問題だと僕は思う。
人がいないから職場がない、職がないから人は流出する・・・っていう。
で、人を都会に集めたのは、中央集権体制が一つの要因にあって。
人がいなくなった地方はどんどん衰退し、地方の鉄道は次々と廃止され、必要な道路はいつまでもできない。
その割には活性化の名目で不要なハコモノが次々とできて、国も地方も借金まみれ。
電話以外の通信網は莫大な初期投資が必要だから、採算が見込めない地域では整備が遅々として進まない。
その結果としてますます不便な地域ができるっていう悪循環も、地域格差の一つの理由として考えられると思うんです。
地方の衰退とインフラは密接な関わりがあるはずですから。
だから、地域格差への懸念が急増するなら通信・運輸への懸念も急増するのが、
考え方としては自然、というか理にかなっていると思う。


医療・福祉は、「悪い方向」5位にもランクインしたそうで。
これがどこに起因するものか検討がつきませんが、やっぱり年金なんでしょうか?



最もこれは抽出調査だから、日本人の総意ではないので一概に言うことは危険ですけど、
今必要なのは、「美しい国」というスローガンではなく、
「未来の具体的な日本社会の姿」という未来像をハッキリさせることじゃないんだろうか。


どんなときでも、どんな場面でも様々な問題は複雑に絡み合っている。
それを意識して解きほぐしていくことが未来をつくる「今」を生きる
人々の責任だと思う。
身分・職業関係なく。