義理人情に厚い、つもりだが。
多分、俺は義理人情に厚い方だと思う。
昔気質とも言える。
ただ、裏切られたときの怒りはその厚さに比例しているとも思う。
ところで、俺は長男だから両親の面倒を見なきゃならない、ってゆう風潮をさほど嫌ってはいない。
やはり親は大事だし、感謝もしてるし、何より俺は、姉とは違う待遇を与えてもらって来た。
例えば、今大学院にいることとか、大学入学前にパソコンを買ってもらったこととか。
だから両親の面倒は俺が見ることに異存は微塵たりともない。
しかし、もはや感謝を苦手意識が上回り、同居は絶対にできない、と言い切れてしまうこの事実が悲しい。
俺の義理人情はエセなのか?
と思えてくる。
なぜ1番世話になった人を大事に思えないのだ俺は。
もしかしたら俺の優しさや情はすべて嘘で、本当はとてつもなく冷徹な人間なのかもしれない、そう思わずにはいられない。
こんな不毛な自問自答はやめたはずなのに、したくないのに、迫ってくる。